脳卒中を起こす薬

ある種の薬剤は、特に他の脳卒中の危険因子がある場合、脳卒中の危険因子となることが示されています。

また、危険因子がなく、健康問題を持たない若い人の脳卒中と関連することが多いと言われています。

脳卒中(脳出血、脳梗塞など)は、脳血管に障害が起こる病気で、長期の身体障害や死亡につながる急性の神経学的損傷です。

脳内出血、硬膜下出血、くも膜下出血は、脳やその周囲の空間への出血の結果であり、高血圧(文末脚注)、出血性疾患、動脈瘤の破裂、薬物の使用と関連しています。

薬物では、抗凝固剤、血栓溶解剤が一般的で、コカイン、メタンフェタミン、エクスタシー、エフェドリン、フェニルプロパノールアミン、ヘロインなどの乱用薬物も同様です。

脳梗塞は、主に血栓性と塞栓性とに分けられます。

血栓性は、脳への遠位血流を減少させるか完全閉塞を引き起こす動脈血栓形成に続発します。

塞栓性は、不整脈、心房細動、心房粗動、心臓の構造異常などにより塞栓(血の塊)が発生し、脳の動脈血流が阻害された場合に発症することが多いとされています(血液中を流れて血管を閉塞する)。

抗精神病薬(クエチアピン、ゾテピン、バルプロ酸)、更年期ホルモン療法、経口避妊薬、大麻の使用が、脳梗塞と関連があるとされています。

症状は突然現れ、脳の部位によって異なります。顔、腕、脚の片側のしびれや脱力感や急性錯乱、言語障害、視野欠損、眼球運動障害、歩行障害、運動失調、平衡感覚低下、めまい、激しい頭痛、吐き気、嘔吐、精神状態の変化、意識消失が起こることもあります。また、痙攣が現れることもあります。硬膜下出血の場合、症状はより亜急性に進行することがあります。

薬剤性脳卒中の原因としては、高血圧、血管収縮、凝固障害、血管障害、心機能障害、心内膜炎のリスク増加などが考えられます。

https://www.visualdx.com/visualdx/diagnosis/drug-induced+stroke?diagnosisId=56219&moduleId=101


薬物の中には、脳の血管を直接傷つけることで脳卒中を引き起こすものもあれば、心臓、腎臓、肝臓など体内の他の臓器を障害することで脳卒中を直接引き起こすものもあります。

脳卒中のリスクを高めることが知られている一般的な乱用薬物には、アルコール、コカイン、アンフェタミン、ヘロインなどがあります。

アルコール

アルコールの大量摂取により、脳内出血のリスクが急激に上昇すると言われています。

アルコールの過剰摂取に伴う脳卒中のリスク上昇は、高血圧と身体の血液凝固能の低下の組み合わせによるものと考えられています。

肝臓は、出血を防ぐために必要なタンパク質を作っていますが、アルコールによる障害で肝臓がこの重要なタンパク質を十分に作れなくなると、脳を含む体内のあらゆる場所で過剰な出血が起こる可能性があります。

コカイン

コカインは、使用中または使用直後に突然脳卒中を引き起こす可能性があります。

コカインの長期的な反復使用は、脳血管障害を長期にわたって引き起こし、他の脳卒中の危険因子を持たない健康な若者であっても、脳卒中のリスクを著しく増加させる可能性があります。

コカインにより、血圧が急上昇し脳内出血を起こしたり、脳血管の狭窄や攣縮が生じます。またクラック・コカインの静脈注射では、感染性心内膜炎を起こし脳卒中を引き起こす可能性があります。

ヘロイン

ヘロインは、一般的に乱用される中毒性のある薬物です。ヘロインは、コカインと同様に、心内膜炎のリスクを高めます。

また、ヘロインの過剰摂取は、呼吸不全を引き起こし、十分な酸素が体内に届かなくなります。

重度の酸欠では、たとえ蘇生して一命を取り留めたとしても、不可逆的な低酸素性脳症を生じることがあります。

アンフェタミン

脳卒中の危険因子を持たない若い健康な人でも、脳卒中発症前の数時間にアンフェタミンを使用したという報告が多数あります。

メタンフェタミンなどのアンフェタミンは、突然の高血圧を引き起こす強力な作用があります。

高血圧は脳卒中の危険因子の第1位であるため(文末脚注)、アンフェタミンの使用が脳卒中のリスクを高めることは驚くことではありません。

コカインと同様に、メタンフェタミンの長期使用は、脳の血管に異常な機能を引き起こし、同時に体の他の部分にも害を及ぼすことによって、脳卒中のリスクを増加させます。

メタンフェタミンの短期的な使用は、使用中または使用後に突然脳卒中を引き起こすことがありますが、これは主に体内のメタンフェタミンによって引き起こされる血圧と心臓の機能の急激な変化の結果です。

脳卒中と関連のある他の薬物
  • フェンサイクリジン(PCP):エンジェルダストとしても知られる薬物。麻酔薬。
  • リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD) :幻覚剤
  • ハーブバイアグラ
  • マリファナ
  • タバコ
  • 一部のエナジードリンク(非常に多量に消費された場合)

https://www.verywellhealth.com/recreational-drugs-alcohol-and-stroke-3146331

  • スマトリプタン(イミトレックス、イミグラン、イミグラン・リカバリー):片頭痛・群発頭痛の薬。
  • β遮断薬(べータブロッカー):不整脈や高血圧の治療に用いられる。
  • ニフェジピン(アダラート):狭心症や高血圧などに用いられる。
  • 抗がん剤、化学療法中に投与されるホルモン剤
  • 経口避妊薬
  • 抗凝固剤
  • 鼻詰まり薬の過剰使用
  • 降圧薬
  • フェニルプロパノールアミン:現在販売されていないが、風邪薬、鼻炎薬に含まれており脳出血の原因となった。
  • ステロイド

脳卒中や血栓の治療薬、高血圧薬が、脳卒中を起こす可能性がある。

https://healthy.net/2006/06/23/drugs-that-cause-strokes/


注:高血圧が脳卒中の危険因子だと言われていますが、高血圧の基準値は医療業界の利益のために恣意的に下げられており、健康な人でも高血圧とされてしまいますので、何の症状もない方は気にしないでください。

RAPTブログに出会い、全くお金をかけずに健康を維持できるようになった(十二弟子・KAWATAさんの証)