ワクチン接種が痛風発作の引き金に。

痛風は、主に足の親指に激痛が走る病気で、血液中の尿酸値が上昇したり急降下することで、痛風発作が起きると言われています。

また、飲酒や肉、魚などのプリン体が多い食べ物が高尿酸血症を引き起こし、痛風発作を引き起こす原因になるとも言われています。

しかし、高尿酸血症でも発作を起こさないケースは少なくないですし、プリン体の約80%は体内で生成されていますので、実際には食事による影響は殆どないようです。

痛風発作の原因は、これまでよく分かっていませんでした。

2018年(平成30年)10月10日付けのBMJ誌電子版に、ニュージーランドオタゴ大学のTanya J Majorらは、食事の内容は血清尿酸値に影響は与えるが、一般集団の血清尿酸値の変動に対する食生活の寄与は、遺伝的な要因に比べると遙かに小さかったとする報告を掲載した。

痛風

私たちは、食事からプリン体を摂取しているイメージがありますが、体のなかにあるプリン体の約80%は、体内で生成されています。

今さらですが「プリン体」ってなに?

ところが、この度、複数の金属、特に「水銀」や「鉛」が痛風と有意に相関することが明らかになりました。

水銀はコロナワクチンの他、インフルエンザワクチンなどの一般的なワクチンに含まれていますし、鉛もコロナワクチンに含まれていると言われています。

モデルナ製コロナワクチンにはイタイイタイ病の原因となった重金属「カドミウム」が含有 脳神経に悪影響を及ぼすアルミニウムも

そして、コロナワクチン接種後に痛風になった人がいます。

新型コロナワクチンを接種して「痛風」になった事例を、ワクチン有害事象報告システム(VAERS)から検索してみました。

結果は、約400件が見つかりました。また、接種日から痛風発症日までの日数を調べてみると、接種の翌日に大きなピークがありました。

ワクチン接種後1週間以内に「痛風」を発症したなら、ワクチン接種の副反応で「痛風」になった可能性は高いという事になります。

ワクチンで痛風

ワクチン接種後に 「痛風」になった。ワクチンのせいですか?

ということで、ワクチン接種が痛風発作を引き起こすきっかけの一つと言えます。

 金属曝露と痛風転帰との関連についての疫学的エビデンスは乏しい。中国・Shaanxi Provincial People’s HospitalのJing Xu氏らは、一般成人を対象に5種類の金属への曝露と血清尿酸値(SUA)、高尿酸血症、痛風との関連を> 検討。複数の金属、特に血中鉛濃度が痛風関連の転帰と有意に相関することをFront Endocrinol(2022; 13: 1052784)に報告した。

米・NHANES約1万5,000人のデータを解析  Xu氏らは、米国民保健栄養調査(NHANES)2011~18年のデータから、一般成人1万4,871人を抽出。5種類の金属(水銀、マンガン、鉛、カドミウム、セレン)の血中濃度とSUA、高尿酸血症、痛風との関連について回帰モデルを用いて検討した。

 主な背景は平均年齢が50.0歳、男性が49.3%で、学歴は高卒以上が78.1%だった。SUA中央値は5.30mg/dL〔四分位範囲(IQR)4.40~6.40mg/dL〕、高尿酸血症と痛風の罹患率は、それぞれ18.6%と4.9%だった。

 金属の血中濃度中央値は、水銀が0.78ug/L、マンガンが9.26ug/L、鉛が1.02ug/L、カドミウムが0.32ug/L、セレンが191.51ug/Lだった。

水銀、鉛、セレンの血中濃度が高尿酸血症および痛風と関連  年齢、性、学歴、人種、喫煙、BMI、坐位時間など共変数を調整して線形回帰分析を行った。その結果、水銀、鉛、セレンでは血中濃度第1四分位群に対し第2四分位群~第4四分位群で、SUAとの有意な正相関が認められた(全て傾向> 性のP<0.001)。

 共変数を調整後の多変量ロジスティック回帰分析の結果、水銀では血中濃度第2四分位群および第4四分位群で、鉛では第2四分位群~第4四分位群で、セレンでは第2四分位群および第4四分位群で、高尿酸血症との有意な正相関が認め> られた(順に傾向性のP=0.001、P<0.001、P=0.006)。

 制限付き三次スプライン回帰モデルでは、水銀、鉛、セレンの血中濃度と高尿酸血症との間に正の線形相関が認められた(順に非線形性のP=0.512、P=0.187、P=0.711)。

 痛風についても同様に解析。その結果、水銀および鉛において、血中濃度第4四分位群と痛風との間に有意な正相関が認められた〔水銀:オッズ比(OR)1.390、95%CI 1.104~1.751、鉛:同1.905、1.412~2.572〕。制限付き三> 次スプライン回帰モデルでは、これら2金属の血中濃度と痛風との間に正の線形相関が認められた(順に非線形性のP=0.382、P=0.741)。

WQS回帰で金属混合物の影響を検討  さらにXu氏らは、加重分位点合計(WQS)回帰モデルを用いて、5種類の金属の混合状態での影響を検討した。これは、実世界では環境汚染物質として複数の金属に同時曝露することが多いためである。

 解析の結果、血中金属濃度のWQS指標は、SUA(β=0.17、95%CI 0.13~0.20)、高尿酸血症(OR 1.29、95%CI 1.16~1.42)、痛風(同1.35、1.15~1.58)と独立して相関していた(全てP<0.001)。また、全ての共変数を調整> 後、痛風転帰に対する重要度は鉛が最も高かった(SUA:Weight=0.589、高尿酸血症:同0.482、痛風:同0.527)。

 同氏らは「血中濃度で評価した複数の金属への曝露が痛風関連の転帰と有意に相関すること、特に鉛で関連が最も強いことが示唆された」と結論している。

(小路浩史)

(Medical Tribune=時事)

(2023/01/20 16:50)

鉛の血中濃度と痛風が有意に相関

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