「治療するほど、がんは悪性化する」ー前立腺がんだけではない、医療界の不都合な真実

前回の記事では、前立腺がんの治療が、かえってがん細胞を「薬が効かないタイプ(神経内分泌型など)」へ進化させてしまう、という衝撃的なメカニズムについてお話ししました。

「それは前立腺がんだけの特殊な話でしょ?」と思われた方もいるかもしれません。 しかし、残念ながら答えは「NO」です。

今回は、がん医療全体に潜む「治療のジレンマ」、そしてなぜ現代の医療システムが「治すこと」よりも「治療行為そのもの」に突き進んでしまうのか、その構造的な闇に迫ります。

「良かれと思った治療」が、がんの性質を変える? 最新研究が解き明かす前立腺がんの「適応」と、治療をしない選択

「良かれと思った治療」が、がんの性質を変える? 最新研究が解き明かす前立腺がんの「適応」と、治療をしない選択

以前、がん検診の光と影の記事で、「PSA検査による過剰診断」の恐ろしさについてお話ししました。

「早期発見さえすれば安心」という常識が、実は多くの人を不要な不安と後遺症に追い込んでいる実態は、統計データからも明らかです。

今回はさらに一歩踏み込んで、「一度治療を始めてしまうと、がんがより凶暴な形へと進化してしまう」 という、医学界で注目されている衝撃的なメカニズムをご紹介します。

腫瘍エクソソームは炎症も操作している—金属隔離システムの全体像

前回の記事では、腫瘍細胞がエクソソームを介して骨代謝を操作し、重金属を骨に隔離している可能性 について考察しました。

今回は、そこからさらに一歩進み、腫瘍エクソソームは骨代謝だけでなく炎症反応も操作し、より包括的な金属隔離システムを構築しているのではないか という視点で考察します。

腫瘍は身体の緊急適応反応なのか?—金属代謝と骨転移から考える新しい仮説

腫瘍は身体の緊急適応反応なのか?—金属代謝と骨転移から考える新しい仮説

前回記事では、がんによる死亡と治療関連の死亡を厳密に区別することは非常に難しいということをお伝えしました。

今回の記事では、そこから一歩踏み込み、腫瘍は重金属などのストレスによって障害を受けた細胞が、生存を図り、かつ体内から有害物質を隔離するために骨代謝を操作しているのではないかという視点で、がんと骨転移の仕組みについて考察します。